建築家

山本長水

HISAMI YAMAMOTO

山本長水建築設計事務所

極限まで考え抜かれた 芸術的木造建築。

素直な生理で何が信じられるかを判断する。
人の技を超え、地域の風土に立脚して生活を組み立てる。

土佐の伝統を何よりも重んじる「土佐派の家」。
同時にこれを現代の感性で疑い、否定する。
青い鳥は身近に居る。

インタビュー

設計をする上で、大切にしていること
環境に負担を掛けない住生活を心地よく永く営める建築をつくることが今の時代の要請です。
それには100年前に建てられた家を参考にしてつくり、
出来れば100年後に家が骨董的な愛着の持てるものに古美ることを願って暮らすことです。
寿命の短く息をしない合板などの新建材や、換気や冷暖房などの設備機械などにできるだけ頼らない家づくりにしたいと考えています。
自身のデザインの特徴や長所
合理性を大事にし、地道な素直な造りを重視することではないかと考えています。
自然素材の家の良さについて
伝統的な素材は、高知の高い湿度に対応する力が優れていると思います。
土佐派の家の恵みとは
木・土・紙などの伝統素材はその高い吸放湿性により、安らかで静かな空気を自然につくることができます。
また、素材の持つ経年変化に深い存在感が期待でき、長い耐久性とともに落ち着いた静かな空間が生まれます。
高知の住宅事情に感じること
高知県は隣の愛媛や香川県に比べて昔から貧しく、家の造りも貧弱でした。
しかし高知の人は比べることよりも、太平洋を受けた大らかな自分たちの世界に満足して来たと思います。
高知の良いところ、好きなところ
南の太平洋を受けて、照るときは照る、降るときは降る。
明快な天気ではないかと思います。

挑戦したいこと、継続したいこと
強い日射しに照らされて熱くなる鉄板やスレートのサイディングの街々ではなく、少し穏やかな木と漆喰の家々に出来ないものかと具体的で単純な願いを持っています。

未来に向けた取り組み
床下に点検可能な空間をつくり、修繕や模様替えのできる造りにしています。現在の普通の鉄筋コンクリート造の仕様では寿命が60年ほどですが、私の事務所では自療剤ベストンを混入したり、水セメント比を50%ほどにして、数百年の寿命を期しています。
また、皮膜のできる塗装仕上げは寿命が短いので、原則使わないで、素材の経年変化を楽しむ造りにしています。

プロフィール

山本長水

山本長水建築設計事務所

  • 1959

    日本大学工学部(現・理工)卒業
    (株)市浦建築設計事務所入社

  • 1966

    山本長水建築設計事務所主宰

主な受賞歴

  • 「医療法人恕泉会 すこやかクリニック」

    優良木造施設/林野庁長官賞(2007年)

  • 「かたつむり山荘」

    JIA日本建築家協会25年賞(2002年)

  • 「中芸高校格技場」

    日本建築学会賞作品部門(1999年) 

  • 「相愛本社社屋」

    日本建築学会作品選奨(1996年)

山本長水建築設計事務所の
建築家

  • 1987

    早稲田大学理工学部建築学科卒業
    (株)日本設計入社

  • 1995

    山本長水建築設計事務所入所

主な建築事例

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土佐派の家ネットワークス

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