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2022.7.08

「一生に一度の買い物だからこそ、じっくりと自分たちの気に入る住まいに」

 「土佐派の家」のお施主様のお家を訪問して「土佐派の家」の住み心地を伺ってきました。
 第1回目のお施主様は、土佐派の家ネットワークスの見学会や高新文化教室「土佐派の家づくり講座」も受講していただいたNさんご夫婦。なおNさん宅は1993年11月竣工です。まずは「土佐派の家」の建築家に依頼したきっかけからお尋ねしました。

 

「仕事の関係から大正町で暮らしていたことがあり、町内にある「橋」という喫茶店を訪れたことがきっかけでした。2階の居間は南側と北側もほぼ掃き出し窓だったかな…。光と風が通り抜け、とても気持ちよい空間でした。梁の一部は「肘木工法」という工法。木材と漆喰、さらに梁が見える構造体が強く印象に残っています。設計者を聞くと、上田さんとのこと。家づくりを考えていた頃でしたので、迷いました。建築家に依頼するのは敷居が高いような気がして。知人に相談したところ『設計士に依頼するのも選択肢のひとつ」とアドバイスを受け、上田さんの事務所に行ってみようと思いました。」

 

――当時は建築家に住宅を依頼するケースは珍しかった頃。Nさんご夫婦も限られた予算内に収めるには設計料もかかるし、建築家に頼むのはとても贅沢なことのように思えたそうです。しかし、家は一生に一度の買い物との思いで上田建築事務所を訪れたそうです

 

「上田さんの構造材としての木材の使い方、納屋型のデザインが気に入り、お家を何軒か見せていただきました。時間をかけ、いろいろなお家を見せていただいたのも良かった。自分たちの暮らし方、好みが分かり、この家にもその時に良いと感じたお家のデザインを反映させています。」

 

Nさんが気に入った納屋型のデザイン

 

――長年、「土佐派の家」に住まわれて良かったと思うところはありますか。

 

「開放的な空間の心地よさ、自然素材による安らぎが得られることが一番大きいと実感しています。一般的な住宅は天井板を張っていますが、この家は構造体が見える表し仕上げ。家の中の状況を把握しやすいことも利点だと思います。また木目、漆喰壁など自然素材を生かしたシンプルなつくりの内装は、絵画や工芸品の美しさを日常的に堪能できます。その点が土佐派の家のモットーではないかなぁ。」

 

――当初は押しピンや画びょうが使えない漆喰壁に不便さを感じていたこともあったそうです。Nさん宅では、大きめの絵画は額に収め、フックなどを使い、飾っています。額装された絵画は漆喰壁に映え、部屋の印象も全く違うと感じました。またインテリアに造詣の深いご主人は、家の構造体を眺めながら述べてくれました。「この角度から見ると絵になる」と。では、奥様のご感想はいかがでしょう。

 

「私は大きな材を使ってもらっているというところが気に入っています。何よりも安心感があります。施工時は木材の色目の違うことが少し気になりましたが、年数が経つほどに色合いも落ち着いてきました。今では全く分からないでしょ。」

 

と施工当時の写真も見せていただきました。色目の違いが一目瞭然。大工さんのセンスから洗面所の壁は色の違う材をストライプに施したりしていましたが、今は馴染んでいます。奥様は、いろいろなアングルで撮った写真を見ながら「もしリフォームするとなった場合でも、こうして写真を撮っておくと何かの手がかりになるわね。」ともおっしゃっていました。
(後編へつづく)

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