建築事例

2020.8.04

安定した品質の材を供給~馬路林材加工協同組合

「土佐派の家」は、一般的な木の家と比較すると約1.5倍も多くの木材を使用します。
家の木材率が高いほどリラックス効果も高いという研究結果もあり
「土佐派の家」の見学会でも「木の香りが心地よい」「床の足触りがいい」
「温もりがあり、落ち着く」等の感想をいただきます。
今回は、その木材の生産業者である
馬路林材加工協同組合の専務理事、五味さんにお話しを伺ってきました。

「高知県の中でも特に雨の多い馬路村は
年間4,000㎜を超すほどの雨と温暖な気候により、良質なスギが育ちます。
同じ樹種でも、育つ環境や土壌の成分により違ってくるそうですが
馬路の木は、木目がはっきりし、樹脂分が多く香りも強いといった特徴があるようです。
お客様からは年数が経つほど木材の色艶が増してくるようだといわれることもあります。
生育場所によって芯部分が黒い材がありますが、これは腐りにくいため、家の土台に適しています。」

―どのような過程を経て建材となるのでしょうか。

「馬路村林材加工協同組合では、製材、乾燥、強度測定、モルダー加工を一貫した
品質管理のもとで製品づくりをしています。
まず山から伐りだされた木は、村内の貯木場で選木し、皮を剥いでいきます。
その後、原木の特性を見極めながら製材をしていくのですが、
要求された寸法より少し大きめに挽いていきます。
これは乾燥により狂いが生じる可能性があるためです。
特に土佐派の家で使用する材は、大きめに製材し、乾燥した材をもう一度挽きなおし精度を高めています。」

製材したばかりの木は多くの水分を含み、
建材として安定した状態を保つためには、
含水率を20%程度まで落とす必要があるそうです。

「立ち木の場合、スギはヒノキよりも水分量が多く、
材によって含水率のバラつきが多いといわれています。
馬路では色が変わりにくく、内部割れの少ない安定した品質の材を供給できるよう、
中温乾燥機や高温減圧式乾燥機を使用しています。
木材乾燥後は、強度測定器を使って曲げ強さに対する強度を測定し、
モルダー加工し建築用材として仕上げています。」

「家を建てるなら近くの山の木で」ともいわれます。
これは、地元の木を使うことで、地域を活性化させ、
輸送コストも抑えられるというメリットがあります。
地場材を活かす「土佐派の家」は、経年変化も味わいのひとつとして愉しめる住まい。
馬路村で育った木材は、これから年を重ねてどんな風合いになっていくのでしょう。

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