設計・西森 啓史
(西森啓史建築研究所)


 
この家は周りに幹線道路と鉄道の高架が通っており、敷地条件としては過酷な場所にあります。しかしながら、家族は何よりもこの場所に住むことを望みました。お母さんの家が道路の向かいにあり、離れて暮らすことはできなかったようです。

 片流れの瓦屋根を2つ重ねたような外観。個人の住宅でも周囲の景観に対しては大きな影響があり、責任があります。手前の平屋が「離れ」となっており奥にある「家族の場所」を守るかたちで配置されました。玄関を入ると庭の景色が出迎えます。左に「離れ」右に「居間」へとつながります。騒音から身を守りながら「陽の光」と「南北に抜ける風」をどうやって取り込むかが大きな条件でした。

 木材は杉、大黒柱がしっかりと「家族の時間」を支えます。壁は土佐漆喰、天井は土佐和紙、連続する梁と一緒になって場を引き締めます。外の空気をいっぱいに受けて、家族の息づかいと共にこの家も大きく呼吸をしています。2階の廊下は鉄道の騒音を和らげる効果も期待して内障子が付けられています。周りがどんなに厳しい条件でも「どう住みたいか」という意思によって外に向かって開かれた家族の場所ができました。(西森啓史)
二つの流れ屋根の家
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二つの流れ屋根の家
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